学戸ホタルの会

うん。ホタルの壁画は、
とても夢のある作品だったね。
講演はホタルを切り口に、
環境に関する話をさせてもらったんだけど、
子どもたちにわかってもらえたかな……？

それはね、「水郷の里」といわれているこの蟹江町で、
「ホタルを飛ばしたい！」という気持ちから、
地域のみなさんと“学戸ホタルの会”という
活動を始めたのがきっかけなんだよ。

ホタルは水のきれいな土地でしか
元気に暮らせないのは、知っているよね？

それがね、実は“学戸ホタルの会”を始めた1年前は、
どうしたらホタルが飛ぶのか、どんな環境が必要なのか、あまり分からなかったんだ。
そこで、一宮平成ホタルの会の会長さんからいろいろと教えてもらって、
地域のみなさんと一緒に考えて進めていったんだよ。
その時に、ほたまろを一宮平成ホタルの会から譲り受けたんだよ。

いい質問だね！その答えはね、学戸小学校のビオトープにあるんだ。

そう。学戸小学校の周囲には用水路があって、
ここには水をきれいにすることができる水質浄化施設をもった
「ビオトープ」を設置したことがあるんだ。
この「ビオトープ」と呼ばれる空間は、“生き物が住むことができる場所”っていう意味なんだけど、
用水路が汚いのでそのままでは生き物は住むことが難しいんだ。
そこで自然の微生物の力を活用した水質浄化施設を設置して
水をきれいにして生き物が住めるようにしているんだよ。
この浄化施設は、化学的な薬品などをまったく使わないエコロジーな方法なんだ。

つまり、ホタルを飛ばすための環境づくりをするのに、ぴったりな場所なんだ。

そうだね。
もともと蟹江町は、豊かできれいな水を利用した、漁業や農業がさかんな町だったんだよ。
でも工場や建物がたくさん建つようになると、だんだん水が汚れてきて、
昔はたくさんいた水辺の仲間もどんどん数が減ってきてしまったんだ。

そのとおり！学戸小学校のみんなや、地域の方々に協力していただいたおかげで、
3月の半ばに準備を始めてから、4ヵ月後にはたくさんのホタルを飛ばすことができたんだよ。

うん！とっても楽しみだね。
でもそのためには、汚れてしまった水をきれいにするだけではなくて、
きれいな水を汚さない工夫が大切なんだ。

ほたまろ、難しく考えなくてもいいんだよ。
例えば、川や池に汚れた水を流さないために、汚れたお皿を拭いてから洗うとか、
お風呂でシャンプーを使いすぎないとか、簡単なことでいいんだ。

そうだね。
今回の講演で一番言いたかったことは“一人ひとりが少しずつ協力すれば、
環境は守っていける”ってことなんだ。みんながきれいな水を守るために、
何ができるかを考えるきっかけになってくれたら嬉しいな。

もうすぐみんなを放流する時期なんだけど、今までのほたる小屋が手狭になってきたから新しい小屋をたてることにしたんだよ。

風通しのいいお家だよ。みんな暑いのはイヤでしょ。今ある池の手前のせせらぎの所に建てる予定だよ。会のみんなで手作りで仕上げようと考えてるんだ。

じゃあ、作り始めるね。

できた～。中はこんな感じだよ。

今年はほたまろ達の観賞会をするみたいだから、がんばっちゃいました。 あとはみんなにがんばってもらうだけだね。

そうだね。今日は学戸小学校の5年生のみんなが君たちを放流してくれるみたいだよ。その前に点呼をとりますよ～。

みんなすごく大きくなったねぇ。点呼も1300までいっちゃったよ。

そうだよね。みんなの努力のおかげだね。じゃ～、ちょっと放流のミーティングをしてくるね。