時が過ぎ、確かに原っぱや田んぼが減っていたりはするものの、全く無くなってしまっているわけではない。こうして公園の原っぱで自然と触れ合うことも出来るし、里山も川も多少形を変えながらも残っている。
いやっ、残すことができた
というべきなのかもしれない。
僕たちは幸い、豊かさの記憶を、
後世へ繋ぐことが出来たのだ。
例え時代や世界が変わっても、人間が自然と共存する道を選択することは、変わらなかった。絶滅してしまった動物もいる。手遅れになってしまった大地もある。それでも人間が一方的に自然を蹂躙してしまった、荒廃した世界にはならなかった。
勿論この世界は、数ある平行世界の一つに過ぎないのかもしれない。ある平行世界では自然が消え、荒廃した世界になっていたのかもしれない。またある世界では、災害で壊滅した世界になっていたのかもしれない。でも幸い、僕が住む世界の住人たちは、後世へバトンを繋ぐことが出来たのではないだろうか?