エコミ―ティング(社員研修)

森の墓苑でのエコミーティング

5月27日 関東地区でエコミーティングをおこないましたが、
いつもとはちょっと違います。

どこに行ったのかと言いますと、
千葉県長南町にあります『森の墓苑』というところ。
“もりのぼえん”って何?という方に簡単にご説明しますと…
公財)日本生態系協会さんが進めている自然再生をコンセプトにした樹林墓地なのです。
森の墓苑HPはこちら
http://www.morinoboen.org/

土砂採掘で削られた山を整備し、墓石の変わりに在来種の木を植樹する。
亡くなられた大切な方が自然と共に眠り、森を育んでいくのです。

すばらしいです!!! 
ということで、ビオトープ管理士として、このような最先端な事例を見学すると共に 自然再生のための研修をしてきました。

森の墓苑の現地はこのような感じです。



まだ、開苑したばかりなので樹木は少ないですが、とても自然豊かな場所です。

しかしながら、当日はかなり激しい雨…(日頃のおこないは悪くないと思いますが)
まずは現地の説明をしていただきましたが、雨音が激しすぎて説明がなかなか聞こえません~



ということで、先に作業の研修をしました。
作業は3種類
①竹の間伐
②外来種の駆除
③苗木作り



【竹の間伐】
森の墓苑の周辺には竹林がありますが、ちょっと鬱蒼としています。
光が届かないと森の下草に影響がでると共に、竹自体も弱ってしまいます。
弱った細い竹や枯れた竹などを伐採し、適度に間引くことで森の環境が豊かになるんです。
いたるところでさえずる鳥たちの鳴き声が印象的でしたよ。
ホトトギスの鳴き声が聞けてよかったです!!



【外来種の駆除】
豊かな自然を維持するためには、外来種の駆除は必須です。
今回の駆除対象は、“セイタカアワダチソウ”や“ヒメジョオン”
墓地の区画に繁茂するこれら外来種をチェックしながら根っこから引き抜きます。
雨のお陰で地盤が緩み、引き抜くのは簡単でしたよ。
コツコツと駆除をすれば、在来植生が優占する環境になるんでしょうね。



【苗木作り】
森の墓苑では、現地で採取した在来種の木の種を育てて苗木を作っています。
今回は、プランターで芽吹いた“マユミ”という樹木をポットに植え替えです。
現地にあるものを活かし、外からは持ち込まない!!
自然再生の基本中の基本ですね。
将来的な森の形成を想うと楽しみがふくらみます。



3班構成で、昼食をはさみながらそれぞれの作業を一時間ほど順番に研修しました。

すべての研修が終わったところで雨も上がり、もう一度墓苑の説明をしていただきました。



本当は裏の山に探検に行く予定でしたが、足元が悪いので中止となりました。

こちらは現地で発生した草木を活用して作っている腐葉土。
微生物により発酵しているので手を入れたら暖かかったですよ。



特に面白かったのが、生き物についてです。
このエリアには、山からの湧水でできた小さな池が二つあります。
ひとつは昔からあったもので、もうひとつは造成時に偶然できたものらしいです。



このような水辺には様々な“いきもの”が集まってきます。
 水を飲むためだったり…
 産卵・繁殖するためだったり…
 生活するためだったり…
説明をきいていると、本当に水って大事なんだなと感じました。

最後に参加者の皆さんで集まってディスカッション



今回の体験を通して、維持管理が重要性を実感できました。
また、意見交換会では、体験の感想も踏まえて…
・雨による土砂の流出防止として近自然工法の空石積みで対処できないかな?
・来苑者の方々に、いきものや植物の情報を伝えられるようなリーフレットや看板があるといいな
など、意見ができました。

今後とも、貴重な体験ができる研修場所としてよろしくお願いをしてきました。
当日お世話になりました生態系協会の皆様、本当にありがとうございました。